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元アルペンスキー選手、1級所持
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基礎スキーって日本だけ?と疑問に思う方も多いかと思いますが、世界中で滑り方が全く違うので、世界のスタンダードもご紹介します。
いわゆる「スキー技術選」のような基礎スキーの大会は日本と韓国にあるのは有名ですが、「基礎技術」に関しては世界各国で全く滑り方が変わります。
なぜか?
答えは簡単で

世界各国で雪質が全く違うので教える技術も滑り方も違う。例えばアイスバーンの氷河地域は外足荷重強めの滑り方になる。
といった違いがあります。
実際に滑りを動画で比較してみましょう。
基礎スキーって日本だけと思ってる人多いのですが、技術選は韓国にもあります。ちなみに海外ではアルペンW杯ベースの基礎が多く、その地域の特色に合った滑りに注目です。アイスバーンの地域は外向系が多いかもしれません。
*動画はこちら
見ての通り全日本スキー連盟(SAJ)が上手いと定義する滑りとはまるで滑り方が違うのがお分かりかと思います。
日本で内傾角が深いターンに点数がつくには理由がある
近年、特に小回りの規制種目が登場した2022年以降、スキー技術選のリザルトを見ると深回りに高い点数がつく傾向が強まってます。
2010年から2、3年、つまり前日本スキー教程のさらに前では内足主導、ハイブリッドスキーなどの言葉が飛び交い、研修でも疑問を持つ人が出てきて実際に新聞でも出てきてます。(参考リンク参照)
この問題となった研修が効いたのか、徐々に上下運動の重要性などスキー技術の基本に日本の基礎スキーが変化してきたわけですが、今でも日本のスキー技術は内足の動きがかなり見られるようになってます。
1番の理由は
「格好良く見えるから」
でしょう。
事実、スキー技術選にはジャッジ5名中2名がアーティステックを担当しており、見栄え点が存在します。(2021年スキー技術選では電光掲示板にアーティステックの点数がありました)
なので、これがジャッジの点数に存在する限り、技術以外の要素がどうしても入るので日本独自の技術になりがちという問題点も抱えてます。
ですが、これは良くも悪くも日本独自の自然環境で成り立つ点数であり、
- 整地メインの大会
- 日本の柔らかい雪質
- 日本人特有の「技術」だけではない「見栄え」文化の発展(賛否あり)
で一定のファン層がいるのも事実です。(内傾角の滑りはこの3つの要素が大きい。おそらく海外では難しい。事実、日本のデモがロングターンで上に飛んで処理していない。映像がこちら)
もちろん、このSAJの仕組みがあることで一定のファンはできても、本格派の人(特にアルペン出身者)や1級まではスキーが好きでも、テクニカルやクラウン(プライズテスト)受験で一向に合格できない上手いスキーヤー層がスキーを諦めてしまうといったことがネット上であちこち見ました。
作用があれば反作用が発生するのが世の常ですが、アルペン路線に変化しつつある現在のスキー技術選になればなったで、

基礎スキーなのにアルペンレーサーばかりはおかしいだろ
派閥を生むことにもなるので、

大会運営側は色々大変だよね。資格取得者増加、スキースクール受講生も増やしたいだろうし。
と難しい側面があります。
ただ、技術選も武田竜選手が元アルペンナショナルチームメンバーとして、内傾角重視選手を突き放してる状況なので(2位以下もアルペンナショナルチーム揃いだけど)、
技術を競う大会なら技術で争うべき
と個人的に思います。
結局、中身のない滑りやスピードがない滑りはビジュアルもどうかと思ってるので、スピードは最低限必要かと考えます。(1980年の基礎スキー選手権は理解し難いし、シュテムターン種目をかっこいいとは多分誰も思わないはず。)
唯一、昔からの名残は整地メインの滑り方に点数がついてることに個人的には違和感を覚えており、カービング基礎スキーヤーが

FISレース後の硬すぎるアイスバーンだった手稲の急斜面を全員避けてた
のを目にしたので、ある意味で技術的に未熟なスキーヤーの量産をしてる状況ですが、

整地だけでもカッコよく滑れればいいじゃねーか
派閥もいるので、何を良しとするかは人それぞれの価値観で本来スキー場は自由です。
結果的に日本は
- 基礎派
- 競技派
で今後もバチバチしてぶつかったほうが結果的に盛り上がるんじゃないかと思ったりもします。
いろんな考えの人、基礎・アルペン・フリースタイル選手それぞれが総合格闘技で競うのがスキー技術選なので、各団体同士がバチバチしてるのも1つのあり方でしょう。(総合格闘技はそれで盛り上がったので)
結論、世界各国の「基礎」スキーを見て、最も好みの滑りをすればいい

これが私からの答えです。
スキーの基礎は国によって違って当然です。
ちなみに基礎スキー・競技スキーと分けてるのはおそらく日本だけではないかと思われますが、ベーシック(基礎)な部分をスキー学校で教えるという意味では世界共通でしょう。(今、日本のスキー技術はアジアに輸出されてる最中です)
スイスのサンモリッツ(上記の写真)の上の方に行けばマイナス30度でカチカチの氷河のバーンが昔ありました。地球温暖化で今はわからないですが、かなり硬いバーンです。
ここで内足に荷重をかけた内傾角のある滑りをすれば、多くの人は流されるでしょうし、コントロールが難しくなるはずです。
下手すれば暴走します。
インタースキーでの日本チームの滑りを見ても、下半身にパワーを溜めすぎてターン後半に圧がかかりすぎる滑りをしています。
日本人に多い典型的なターン後半型の滑りという印象を受けましたが、日本の斜面では通用しても海外で日本の滑りが通用するかはまた別問題です。
アルペンスキーワールドカップはヨーロッパメインで回るレースなので、スイスやオーストリア、フランスの滑り方が世界のスタンダードです。(特にアルペンW杯トップ選手の捉えの速さはすごい)
全日本スキー連盟(SAJ)では基礎の教育本部とレースの競技本部が連携して、雑誌などで対談企画をしたりして競技人口を増やす努力が伝わってきてますが、少子化の歯止めがかからないので、

スキー+全く違う畑違いの分野とのコラボ
をしないと普及は難しいかと考えます。
スキーをしない人たちにスキーをきちんと伝えていく活動を私は重視して日々動いてますが、まあーこれはこれで非常に難しいと思ってます。
基礎スキーとか競技スキー以前に、スキー業界はもっとやることがあると思ってます。
とりあえず、今回の記事は「日本以外の基礎スキー」について書きました。
参考になれば幸いです。